前掛けは和食店などのユニフォームとしてよく目にする

前掛けは室町時代に漁師たちの間で始まり、広く庶民に広まっていきました。

前掛けの始まりは室町時代といわれています。漁師が古い船の帆を切って、腰に巻いたことに由来します。その後、商家の使用人や女中、職人の間に広まっていきました。衣服の汚れを防ぐという本来の機能の他、タオルの代わりに手を拭いたり、広げて釣り銭を数えるのに使われたといわれています。一方で、意外な使い方もされていました。材木商や酒屋などの重いものを運ぶ商人たちは、この帯を腰骨の下にきつく締めることで腰痛を防止していたそうです。前掛けは、船の帆などに使われる厚手の無地生地で作られていました。時代を下っていくと共に、絹を用いた洒落着、女物の華やかなデザインの前掛けも登場しました。特に赤色のものは女中のトレードマークとされました。今でもそれを受け継ぐエプロンが旅館や料亭が存在します。また、和食店などではユニフォームの一部として使用されています。